文系の数学勉強法~基礎から難関大まで~

皆さんこんにちは!

篠原塾の卒業生で、現在一橋大学商学部に通う河崎です。

今回は、文系数学の勉強法について話していきたいと思います。数学はインプットとアウトプットのバランスが非常に重要な科目です。数学には次の3つのフェーズがあると考えてください。

1.基礎学習(インプット)

2.解法暗記(インプット)

3.実践(アウトプット)                                                                                                   

1と2がインプット、3がアウトプットに当たります。インプットをやらなかったり、逆にアウトプットをやらなかったりすると入試問題は全く解けるようになりません。バランスよく両方こなすのが数学では重要となりますので頭に入れておいてください。

各フェーズで具体的に何をやるかを見ていきましょう。

1.基礎学習(インプット)

「基礎学習」の最終的な目標は、教科書レベルの内容の把握です。具体的に言うと、教科書に出ている例題や練習問題は解けるようになっていることが到達レベルの達成だと考えてください。なぜ基礎学習が重要かというと、後々にやる解法暗記の勉強がスムーズに行えるようになるからです。数学の点数を伸ばすのに解法暗記は一番効果的な勉強方法です。数学が得意な人はみな、問題のパターンや解法のパターンを一通り覚えています。これらを組み合わせることで、応用問題のような思考力を問うような問題でも解けるのです。したがって、この「解法暗記」を効率的に行うためにも、基礎学習を抜かさずにやっておきましょう。以下では具体的な勉強方法を見ていきましょう。

使用教材:授業(学校の授業、映像授業)

基礎学習での目標は、教科書レベルの内容の把握でしたね。この勉強が一番効果的に行えるのが、授業を受けることだと思います。授業を聞いていなかった人や聞ける環境にいない人はYouTubeなどの映像授業を使用してください。授業よりも、独学で基礎的な参考書をやる方が早くて効率的だと考える人がいますが、皆がみんなその勉強法で知識を習得できるかというとそう簡単ではないと思います。そういう人の中には、“参考書をやるスピードが速い=効率がいい”と勘違いをしてしまっている人が一定数います。受験において効率はもちろん大事ですが、知識を頭に入れて使えなければ意味がありません。したがって皆さんには“効果的”な学習を心掛けてほしいのです。その点、先生から教えてもらうという授業であれば、聴覚を使うので頭に入りやすいですし、先生が覚えるべきことを強調して授業をしてくれたりします。また時間が決まっているのでその時間だけ集中して授業を受けようとメリハリをつけることもできます。以上のように初学段階では授業の方が後々生きた知識として使えると思うので、授業をお勧めします。

2.解法暗記(インプット)

基礎学習が終わったら早速、解法暗記に入っていきましょう。ここでの目標は解法暗記のベースとなる参考書を完璧に覚えることです。センター試験が、時間制約を設けずにコンスタントに9割以上とれるようであれば解法暗記ができていると言っていいでしょう。もしとれない分野があるようなら解法暗記しなおすようにしてください。

使用教材:チャート式

1対1対応の演習

チャート式

まず初めに解法暗記で使用する参考書としてチャート式をお勧めします。色は黄色か青がいいと思います。チャート式をお勧めする理由としては、

・網羅されている

・解答がシンプルでわかりやすい

の2点が挙げられます。まず一点目の、網羅されているということなんですが、チャート式を見てもらえば分かる通り、非常に分厚い参考書で、覚えておくべき問題が網羅されています。すべてを完璧に覚えれば、後は演習を重ねるだけでほとんどの大学でも攻略できるくらい優れている参考書です。また、解答も一番シンプルでわかりやすいものが掲載されているので他の問題に応用が効きやすいですし、何より理解がしやすいと思います。他の参考書では明らかに別解にすべき解答を第一の解答にしていたりすることがあります。確かに難関大を攻略する上で役立つことは大いにあるとは思いますがその分難しいので、初学者は理解するのに時間がかかる上、生きた知識として身につかないと思います。初学段階では基本的な解答を覚え、使いこなせるようにすることが重要です。以上より、私はチャート式をお勧めします。

チャート式は例題と練習問題がありますが、例題だけをやってください。まじめな人ほどすべてをやろうとします。しかし、練習問題までやっていると1周するのに時間がかかってしまいます。例題をしっかり覚えれば練習問題も解けるようになるので安心してください。例題だけでも1周するのは大変だと思います。1周終わる頃には最初の方を忘れてしまっているという風になりかねませんので、分野ごとに分けて完璧になってから次の分野に移るようにしてください。1分野あたり3~5周すれば解けるようになっていると思います。

1対1対応の演習

時間に余裕がある人は1対1対応の演習もやっておくと心強いです。難易度としては青チャートと同程度もしくは少々難しい問題が載っている印象です。この参考書を追加でやっておくメリットは次の通りです。

別解をメインに学ぶことができる

チャート式では一番基本的な解答方法が学べると述べましたが、1対1対応の演習では別解をメインに学ぶことができます。チャート式と同じような問題が掲載されているのですが、解答アプローチが違います。難関大では柔軟な発想力が求められます。別解も学んでおくことで一つの解答方法に囚われず、柔軟に対応できることができるようになります。したがって、時間的余裕がある人はこの参考書も追加でやっておくことをお勧めします。時間がない人でも頻出範囲だけをやるというので十分効果あると思うので戦略的にこの参考書を使用するのもいいですね。

1対1対応の演習にも例題と練習問題が用意されています。チャート式と違って、練習問題の方がだいぶ難易度が高くなっています。全体問題数が少ないので、例題のアウトプットとして練習問題を解くのもありだと思います。ただし時間的余裕がない人は過去問でアウトプットした方がいいのでやらないでください。

3.実践(アウトプット)

解法暗記が終わった後は、アウトプットに入りましょう。解法暗記と違う点は問題が初見であるということです。初見問題を解くことでインプットした知識が使える知識として昇華していきます。最初は解くのに時間がかかったり、解けなかったりします。しかし、それは解法暗記ができていないということではなく、インプットした知識が使える知識になっていないだけです。問題を解けば解くほど、自然と解けるようになっていきます。ですので、解けないとめげるのではなく、とにかく解いていきましょう。1問あたりにじっくりと時間をかけて覚えた知識をひねり出すようにしてください。

使用教材:文系数学の良問プラチカ

過去問

文系数学の良問プラチカ

アウトプット用の参考書として代表的なのが、この文系数学の良問プラチカです。この参考書には主に難関大の良問が寄せ集められています。問題数は結構多いので、自分の大学の頻出分野だけをやるのがいいと思います。この参考書をやるに当たって、わからない問題に出会ってもすぐに答えを見るのはやめましょう。ここでの学習は解法を覚えることがメインなのではなく、インプットした知識を使う練習の場です。そのことを意識して何とかして解けないかと粘ってみてください。時には汚い解き方になるかもしれませんが、実際の入試ではその泥臭さが重要です。試行錯誤のトライ&エラーの精神で問題に立ち向かいましょう。時間がない場合はこの参考書を飛ばして過去問をやるようにしてください。過去問がアウトプットの教材としてベストだからです。

過去問

文系数学のプラチカである程度アウトプットの練習ができたら次に過去問でアウトプットしてみましょう。繰り返しにはなりますが、時間がない場合はプラチカはやらずに、過去問でアウトプットを始めましょう。過去問が一番大切ですので!過去問のやり方は2通りあります。

・時間をかけてじっくりと(12月まで)

・本番を意識して全問通しで(1月~本番まで)

どちらもやってほしい勉強方法です。まず、時間をかけてじっくり解くとインプットした知識が使える知識に変換されます。これはプラチカの時と同じですね。加えて、過去問の傾向が掴めるようになります。これは実体験なのですが、10~12月は時間制限を気にせずに過去問を解いていました。何年も遡って解いているうちに、整数ならこういった問題が出やすいなといった傾向を自然と掴むことができていたのです。もちろん全く同じような問題が出ることはありませんが、分野の傾向をざっくり掴むことで過去問を解くことに抵抗がなくなります。「またこういう感じの問題が出るんだろう」と予測ができるので。この勉強法で大きな壁であった志望校の過去問を乗り越える自信を得ることができました。この後に時間を意識して通しで解くようにすることで、最初は間に合わないかもしれませんが、だんだんと捨て問の判断がつくようになるので合格点はとれるようになっていきます。この2つの勉強方法を実際に合格点をコンスタントにとれるようになったので是非参考にしてみてください。

まとめますと、数学の勉強は

基礎学習(インプット)→解法暗記(インプット)→実践(アウトプット)

の順で勉強することが大事です。この順で勉強すればインプットとアウトプットをバランスよくこなせるので参考にしてみてください。もちろんインプットの段階で問題を解いてみる、またはアウトプットの段階で公式や解法の確認をするといったことも大事です。あくまでインプットとアウトプットのバランスが重要だという話ですので、自分に合う勉強方法を見つけてもらえればなと思います。

ここまで読んでくださりありがとうございました。以上、河崎でした。

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