理系の国語勉強法

こんにちは、篠原塾でライターをしている加藤です。

今回は

「国語でいつも点がなくなっちゃう」

「古典が本当にわからない」

「そもそも理系が国語やる意味あるの?」

と悩んでいる方に向けて記事を書いていきます。

以下では

理系が国語を勉強する意味とその注意点

共通テストの対策法

理系のための二次国語対策

の3点についてお話しします。

この記事を書いている僕は、

現役北大生で浪人して京大A判定を10回とった経験があります。

また、理系ながら国語で学年1位を取り、京大模試でも偏差値65を切ったことがほぼありませんでした。

この通り国語できる系理系男子だった僕も、高1のときは進研模試で偏差値42を取っています。

僕がどのようにして成績を上げたのかを解説していきます。

では見ていきましょう。

1:理系が国語を勉強する意味とその注意点

A:国語はすべきである

結論から言うと、理系でも国語を勉強する価値はあります。

なぜなら差がつきやすいからです。

まず大前提として、国語がまともにできる理系受験生はほとんどいません。少なくとも僕の周りにはほとんどいませんでした(笑)。

ほとんどの理系受験生は数学と理科で点数を稼ぐことを考えており、国語に時間を割くという発想すら持っていない人もかなりいます。特に現代文とかになると「勉強する方が頭悪い」くらいに考えている人すらもいるでしょう。

ですが、安易に「国語は捨て科目である」という発想になるのは勿体ないです。

少し考えてみてください。

数学の点数が 90点、国語の点数が50点の受験生Aくん

数学の点数が70点、国語の点数が70点の受験生Bくん

の2人を例に挙げて考えます。Aくんは数学が大得意で、Bくんは数学がそれほど得意ではありません。ですが、AくんとBくんを比較すると「合計点数」は同じであることがわかります。原因は国語にあります。Aくんは国語が大の苦手で、Bくんは国語が少しだけできます。

ここで考えて欲しいのが、「あなたは無理にAくんになろうとしていませんか?」ということです。世の中の大半の理系受験生はAくんになろうとしています。国語が苦手なら数学でカバーしろと。ですが、あなたはそんなに数学が得意ですか?

自分に正直になってください。数学で70点を90点に上げるよりも、国語で50点を70点に上げることの方が労力かかりません。

また、僕の周りには国語で成功した理系受験生が実際にいました。

例えば、僕が通っていた予備校の京大理系クラス。理系なのに国語の偏差値が常に75くらいある人がいました。その人は数学と物理が苦手でしたが、国語は東大文系にも負けないくらいできる人です。そして最終的には、浪人して数学と物理を人並みに仕上げて国語で圧倒的に点を取り京大に受かっていました。

また、センター試験(今で言う共通テスト)で国語に救われた人もいました。その人も理系だったのですが、本番で数学と理科が8割もいかずに絶望していました。しかし、驚くべきことに国語が200点満点だったのです。これがきっかけでセンター全体の点数がかなり底上げされていました。まさに国語に救われています。

このように、国語に人生救われている人もいます(笑)。僕も国語をある程度のレベルまで仕上げていたので、他の受験生が苦戦する国語でコンスタントに高得点を取り続けることができました。おかげで特に浪人時代は模試の点数が安定していました。

以上のことより、余程のことがない限り国語を勉強しておくといいということがわかります。特に数学や理科が苦手な受験生は国語をある程度得意にしておくことをオススメします。意外と国語に救われることも多いですよ。

はい。ここまでで国語に対してモチベーションが上がったと思います(笑)。

これを読んでいるあなたなら国語の勉強を始めていくと思うので、次にその際の注意点を書いていきます。

B:国語に時間を取られすぎてはいけません

はっきり言ってしまいますが、国語ばかりやるのはやめましょう!

「え?あんなに国語やれって言ってたじゃん」

「結局どっちだよ!」

すみません(笑)。誤解を招く発言をしてしまいました。

僕が言いたいのは、「国語はある程度やる」というスタンスが最も効果的だということです。

理由は、理系は数学と理科を勉強しないわけにはいかないからです。

当然ですが、あくまで理系なので”数学”と”理科”の配点が大きくなります。そこで国語を勉強しすぎてしまうと、今度は理数科目で差をつけられすぎてしまいます。これでは本末転倒です。

ですので、あくまで国語はサブ科目として育てておきましょう。1日30分とか2日おきの勉強とかでも問題ないです。数学や理科の勉強に飽きたときにやるくらいでもいいです。できるだけ少ない労力で仕上げていきましょう。

「え?でもそれだと国語ができるようにならないじゃん」

こんな質問が飛んでくると思います。ですが、これでいいのです。大半の理系受験生は国語の勉強時間なんて0分に近いです。なので、少し勉強するだけで圧倒的な差が生まれるわけです。

毎日30分勉強していると、1ヶ月で15時間勉強したことになります。3ヶ月だと45時間です。これは全くやらないのとは圧倒的に違います。

これで分かったでしょうか。理系にとっての国語は、少しの努力で勝つことができる「非常にコスパの良い科目」であると。

どうせ周りは勉強していません。気楽に国語を勉強してこっそり成績を伸ばしてやりましょう。

ここまでで国語を勉強する意味とその際の注意点が分かったと思います。次に具体的な勉強法について書いていきます。

おそらく大半の方は共通テストでしか使わないと思うので、そちらの対策を先に考えてみます。ではいきましょう!

2:共通テスト評論対策

まずは評論です。理系受験生の特徴として「現代文は捨てている」というものが挙げられます。おそらく9割以上の文系を含めた受験生が現代文から目を背けているのではないかと思います。ですが、現代文(特に評論)は正しい知識を身につけるだけでかなり成績が上がっていく分野にいなります。諦めるのは勉強してからにしましょう。

共通テストでは”8割を安定して取る”ことを第一目標として勉強していきます。評論の対策法は以下の通りです。要素分解しつつ考えます。

A:漢字の勉強

B:読解テクニックを覚える

C:キーワードを覚える

D:過去問演習

それぞれを具体的に説明します。

✔︎Aについて

(漢字の勉強)

結論から言うと、漢字は集中して勉強する必要はないです。理由はコスパが悪いからです。

確かに共通テストの「漢字」の問題は毎年出題されます。なので、もし満点を取ることができるようになれば周りと差をつけられるかもしれません。

しかし、この小さな配点のために貴重な時間を割くのは非常に効率が悪い。漢字の問題を網羅するのはかなり大変なんです。

なので、漢字対策でまとまった勉強をするのはオススメしないです。

しっかりとした対策をしない代わりに、「演習を利用して覚える」というやり方を使います。つまり、普段の演習で出てきた漢字問題で間違えたものをすべてリストアップしておく、ということです。

これによって、直前期の漢字の復習が非常にスムーズになります。最悪このリストに載っているものだけ覚えてしまえばいいからです。

正直これだけで正答率はぐんと上がります。ここまでやって満点が取れなかったら諦めましょう。

漢字対策はコスパを考えて取り組むのが吉です。

✔︎Bについて

(読解テクニックを覚える)

ここはかなり重要です。理系受験生が評論を攻略するなら、「読解テクニック」を覚えるのが必須です。なぜなら、その方が効率的だからです。

そもそも皆さんは「現代文なんかに時間かけられない」ですよね?

これに”YES”と答えた人はすぐにでも「テクニック」を覚える作業をしておきましょう。

例えば、

・指示語を追うこと

・逆説の直後は主張になる

・”必ず””全く”などが選択肢に入ったらバツになる

などです。

これらの知識を頭にいれておくといいです。

ですがここで、「現代文はテクニックだけでは解けないよ」という意見が出てくると思います。

確かにこれには納得です。現代文はテクニックだけに頼るとたまに落とし穴に落ちます。試験を作る側も世の中には”小手先のテクニック”が蔓延っているのを知っているからです。しかし、テクニックを知っていると「正答率が上がる」ことは事実です。現代文がノー勉の人との差ははっきりと現れます。簡単な問題であれば、これだけで8割とれてしまうこともあります。

なので、こと理系受験生においては「テクニック」を大事にしてほしいのです。かっこつけて”文脈を考える”とか考えなくていいですよ(笑)。それはテクニックを身につけてから考えましょう!

『システム現代文』などが個人的にオススメです。

✔︎Cについて

(キーワードを覚える)

評論でより点数を安定させたいなら、”キーワード”を覚えましょう。

語彙力が上がると読解の質と速さが上がります。

例えば、「形而上」「形而下」といった言葉をしっていますか?

正解は、

「形而上」:形のないもの。超自然的、理念的なもの。

「形而下」:形のあるもの。物質的なもの。

わかりましたか?

ここで、3秒で正解が浮かばなかった場合は黄色信号です。これは評論でたびたび出てくるので覚えておくといいでしょう。

「何が言いたいの?」と思っている方もいると思います。

僕が言いたいのは、こういった評論で頻出な”キーワード”を知らないと苦労するよってことです。

たとえば、

“日常的に形而上のことを考えていると、疲れてくるのがわかる”

という例文を考えてみましょう。

ここで「形而上」の意味がわからないと、この文全体の意味がわかりません。多くの場合はその前後の文脈から推測できるのですが、そうでない場合は大変です。ここがわからないだけで後の文章を理解できなくなる危険性すらあります。もしかしたら、これだけで20点近く失うことも…(こわい)

逆にこういう”キーワード”を多く知っていると、文をしっかり読まなくても全体の流れがだいたい予想できるようになったりします。こうなると圧倒的に解くスピードが上がりますね。

なので、キーワードを覚える作業はやっておくことをオススメします。『現代文 キーワード読解』や『ことばはちからダ!』などを勧めます。

✔︎Dについて

(過去問演習)

最後は過去問演習です。共通テストの国語はこれ抜きに挑めません。過去問から傾向を分析していきましょう。

どれだけ知識を身につけていたとしても、過去問演習をしなければ点数は安定しません。最低でも15年くらいはやりましょう。欲を言えば25年です。

過去問を取り組むときのポイントは、「必ず根拠を持って答える」の1つだけです。

よく皆さんが陥ってしまうのが、”なんとなく問題を解いて終わり”という演習です。これは本当にやめたほうがいいです。実力がつかないどころか、間違った理由が明らかにならないのでストレスにもなります。

本質は過去問を解いた年数ではなく、「演習によってどれだけ吸収したか」です。なんとなくの勉強ではなく、常に頭を使いながら勉強です。”なぜこの選択肢を選んだのか””なぜこの選択肢が正解なのか”をとことん考え抜くようにしましょう。で、どうしても納得できなければ先生に聞きましょう。

こういった”丁寧な”演習を繰り返すことによって、国語がいくら苦手でもコツがわかってきます。目的意識を持って過去問を解いていきましょう。

以上のA〜Dが評論対策になります。評論は苦手意識のある人が多いですが、正しく勉強することによって必ず伸びる分野になります。根気強く対策しましょう。

3:共通テスト小説対策

いきなりですが質問です。

小説は得意ですか?

僕はめちゃくちゃ苦手でした。そして嫌いでした。

どれだけかと言うと、模試で50点中11点のときもあるくらい。

さすがにやばいなと思いますが(笑)。

おそらくですが、小説の問題が好きな人って

①国語が天才的な人

②他が苦手で小説が一番マシな人

の2通りがほとんどだと思います。

そして、②が9割以上でしょうね(笑)。

①の人はもうこの記事を読む必要はありませんが、②に該当する人・小説が嫌いな人は読んでみてください。僕は皆さんの気持ちがよくわかりますので。

まず、小説は極めようとしてはいけません。時間を溶かすだけです。

どれだけ勉強しても本番で失敗する可能性はあるし、どうしても攻略法が定まりません。満点を取るのは「まぐれ」か「天才」の2通りです。期待するのはやめましょう。

以上を踏まえると、皆さんにとって意味のある勉強は「満点を取れる準備だけしておく勉強」です。

苦手な物語が来てもなんとか7割以上は取れて、当たれば満点が取れる。

このくらいの実力をつけるのが妥当でしょう。これなら現実味があります。これ以上は深入りせず、他の勉強をしてしまいましょう。

以下ではこの方針に沿った勉強法を提示します。

A:語彙力を増やす

B:テクニックを学ぶ

C:過去問演習

それぞれ解説しますね。

✔︎Aについて

(語彙力を増やす)

共通テストの小説では語彙力も多少身につけておくべきです。

なぜならそれを問う問題が出題されるからです。

小説の語彙力の問題は基本3問出題されます。ここの配点は小さめですが、もし対策できるなら1問ミスくらいに抑えておきたいですね。配点が小さいとはいえ、3問外してしまうと致命傷になります。

また、小説においても「語彙力」は読解の助けになってきます。身につけておいて損はないので、勉強しておきましょう。

やり方は評論の漢字問題と同じです。普段の演習でリストアップしておいて、直前期に一気に覚えましょう。それ以上やる必要はありません。

語彙力については、自分の時間と相談しつつ最低限やっておく感じでいいでしょう。

✔︎Bについて

(テクニックを学ぶ)

テクニックは小説でも使えます。

結局問題になっている以上、テクニックはある程度通用するのです。

小説はテクニックじゃない。

小説はフィーリングだ。

小説は勘を磨け。

という意見があります。普段だったら真っ向から否定するのですが、小説ばかりは一種の戦略だと思っています。

正直勉強しても点数が上がるとは限らないし、成績が上がっても本番にいい点数が取れるとは限りません。実際、僕は国語の成績を上げていましたが、小説はセンター本番で32点しかとれませんでした(50点満点)。

これは小説に期待しすぎてはいけないというメッセージのように感じています。正直、小説に時間かけすぎると小説に裏切られて終わりですよ。

だからこそ、テクニックを学ぶんです!

変に「読解力をつけてやる!」「主人公になりきって考える!」とか考えなくていいんです。テクニックを振りかざして解いてみていいんです。理系ならそれだけでも差別化できます。数学の公式と一緒。

ね?簡単でしょ?

そうと分かれば小説でもテクニックを身につけましょう。『システム現代文』などが評論と同様にオススメです。

ただ一つ注意点があります。

小説は評論とは違ってテクニックが通用しない場面もあります。これは仕方がないことです。なので、テクニックで答えを絞った後に文脈判断ができるようになると点数がより安定するでしょう。

そのためにやるべきは以下のことになります。

✔︎Cについて

(過去問演習)

これ。評論と一緒です(笑)。

小説の”勘”を磨きたいなら過去問演習です。

やはり過去問が最も本番と雰囲気があってるし、選択肢の質も高いんです。

特に色んな問題集に手を出す必要はないので、過去問をしっかり研究しましょう。理系でここまでできたら優秀です。

以上のA〜Cが小説対策になります。小説は誰もが逃げがちです。僕も正直逃げていました。逃げるのは良いことですが、その前に足掻いてみるのも良い選択です。上手くやれば成績は上がるかもしれません。

                                                    4:共通テスト古文対策

ここからは古典の勉強になります。理系受験生ならここで稼ぎます。

僕は古典に命かけてたので、本番は古文50点、漢文42点でした。

本当にコスパ最強なのでぜひ本気でやってみましょう。

まずは古文の勉強法です。

古文は外国語と一緒です。日本語だと思って勉強してると本当に痛い目みます。こんなに読めないものかと(笑)。

ですので、英語と同じだと認識してある程度本気でやりましょう。

以下に勉強法を提示します。

A:単語と文法を覚える

B:古文常識を覚える

C:過去問演習と音読

それぞれ説明します。

✔︎Aについて

(単語と文法を覚える)

まずは単語と文法を覚えましょう。

覚えないと何も始まりません。

古文は現代日本語とは全く違います。なので、単語も文法も全く異なります。

勘に頼って読解すると99%誤読するので、知識を正しく身につけておくのがいいでしょう。

文法は覚える部分を絞っていいです。

助詞・助動詞、活用系、かかり結びの法則などの基本的な部分を覚えるだけで十分です。あとは出てきたときに覚えていきましょう。苦手な文章については、気合入れて品詞分解してみるのもオススメです!

また、単語を覚えるときは注意が必要です。

英語は1単語1意味で覚えてもなんとかなりますが、古文ではそうはいきません。多義語が本当に多く、1つの意味だけ覚えても通用しないことが多いです。

なので、1単語に対して重要な意味が複数あるときはしっかりと覚えておくといいです。誤読を防ぐ効果もありますので。

単語帳は『マドンナ古文』『古文単語ゴロゴ」などがオススメです。

✔︎Bについて

(古文常識を覚える)

古文を読めるようになりたいなら古文常識はかなり大事です。

僕らの生活と平安時代の生活は全く違うからです。

常識は時代と共に変化します。

例えば、僕らって誰かに写真送ってもらうときに「それ送っといて〜」とかって言いまよね。おそらくは「LINEとかメールとかで送っておいて」という意味で使ってると思うのですが、わざわざ「LINEで」「メールで」と言わなくても相手に通じると思うんです。つまり僕らはその文言を”省略”して会話しています。

これは古文の世界でも同じです。例えば「袖を濡らす」という表現がありますが、これって捉え方によっては「間違って水をこぼしちゃったのかな」とも解釈できますよね。ですが、古文の世界では99.9%「泣く」ことを意味しています。これは当時の世界では”言わなくても分かる”ことだから”省略”してるんです。

で、この”言わなくても分かる”というのが厄介で、僕ら現代人と当時の人々とのコミュニケーションを困難にしているんです。ギャップがありすぎて僕らじゃピンとこないことが多いんですよね。

だからこそ、「古文常識」を学ぶべきなのです。

当時の常識を知識として定着させておけば、わざわざタイムスリップして当時の貴族と会話しなくてもいいわけです。1000年もの歴史が生み出したギャップ・カルチャーショックを埋めるために古文常識を学ぶ必要があるんです。僕らがアメリカ行く前にアメリカのことを勉強してから行くのと同じです。

古文常識を勉強しないと言うことは、古文を誤読しにいっているのと変わりません。当時の人たちのことを理解してあげるためにも、古文常識はしっかり勉強しましょう。

勉強法は様々ありますが、僕は『あさきゆめみし』という漫画を一読してみるのをお勧めします。漫画だから読みやすいし、視覚的にイメージが分かるので非常にコスパいいです。

サラッとでもいいので、古文常識は身につけておきましょう。

✔︎Cについて

(過去問演習と音読)

一通り勉強したら過去問演習しましょう。それに加えて音読です。

共通テスト古文は演習量がないとかなり間違えます。

知識を身につけているとある程度は読めると思いますが、時間制限があるとどうでしょう。

結構キツくないですか?

そうです。共通テストの古文は一般の二次試験と同等かそれ以上ハードな問題が出題されます。時間制限だけみれば東大・京大の古文よりも厳しいかもしれません。正直僕からすると、京大理系の古文の方が簡単で解きやすかったです(笑)。

それくらいハードな試験だと考えると、しっかりとした対策は必須かと思います。8割を安定させたいなら最低でも10年分くらいは本気で研究してみるくらいでないと厳しいかもしれません。理想は25年やってしまうことです。

次に演習するときのポイントを言います。

共通テストのような時間制限の厳しい試験では忘れがちになるのですが、「一文一文ちゃんと読む」ことを忘れないようにしてください。

僕が以前陥っていたのが、「速く読むことを意識しすぎて、結局何回も読み直して時間を浪費する」というものです。身に覚えありませんか?

古文は登場人物も多く、内容も複雑です。また単語もわからないものがほぼ確実に存在するため、適当に読み進めるとすぐ誤読してしまいます。「あれ?結局この人誰だっけ?」「え?今ってどんなシーンだっけ」「あれ?やばい何もわかってない(汗)」ってなります。今思い出しただけでも恐怖です(経験者は語る)。

なので、一文ずつ丁寧に読む練習をしていくことが実は近道だったりするのです。「ここまでは理解できてるぞ」という自信を持ちながら読み進めていく方が圧倒的に速く、正答率も上がります。

以上のことを踏まえると、皆さんがやるべきは「ゆっくり読めば最後まで理解できるようになる」ための練習です。最初からスピードを求めすぎなくていいので、まずは丁寧な読解を心がけましょう。

しっかりと読めるようになったら「音読」を実践してスピードを上げていきます。苦手な文章1つに対して15回が目安です。これを継続するだけでかなり速読力がついてるので、是非試してみてください。

以上のA〜Cが古文対策でした。ここが理系の勝負ポイントなので、他の受験生と圧倒的に差をつけましょう。

5:共通テスト漢文対策

最後は漢文です。理系受験生にとっては得点源になるところなので、ぜひ満点狙う気持ちで勉強してみましょう!

攻略法は以下のとおりです。

A:単語・句形・文法を覚える

B:過去問演習と音読

シンプルです。順に解説します。

✔︎Aについて

(単語・句形・文法を覚える)

これは古文と同じように大変重要です。

漢文は完全な外国語なので、知識がないと詰みます。

漢文は勉強すればすぐに伸びますが、勉強しないと全く点が取れません。その差が知識の有無です。

英語で単語を知らないと戦えないように、漢文も単語知らないと戦えません。知識を身につけて正しい読解を心がけましょう。

また、勘に頼った読解も事故ります。あなたに相当なセンスがあればいいのですが、もしそんなことないのなら危険です。僕は現役時、フィーリングで演習して8割とれていたのですが、本番に11点とりました。もはや人生のネタです(笑)。

この記事を読んでいる意識の高いあなたには、僕のようになって欲しくありません。基礎知識をしっかりと身につけて”安定的に”漢文の点数を上げていきましょう。

✔︎Bについて

(過去問演習と音読)

基礎知識が身についたらすぐに過去問演習でokです。

共通テストの漢文は演習量がものを言うからです。

ここまで評論・小説・古文・漢文と見てきましたが、この中で最も点に結びつきやすいのが漢文です。覚えておくべき知識も少ない上、問題が単純な場合が多いのです。

なので、過去問を15年分くらい解いておくだけでかなり感覚が冴えてくるようになります。特に25年くらいやってしまうと、満点も容易に取れるようになってきます。

また、演習量を積んだだけでは「読解力」自体が育っていかないので、ここで音読を取り入れます。1文章に対して15回で十分です。時間がなければ10回でもいいです。

音読をすると「速読力」「精読力」の両方が身につくので、とにかく問題を速く解くことができるようになります。非常に有効な手段です。僕は音読重点の勉強をした結果、最短7分程度で満点を取ったこともあります。

漢文は過去問+音読で攻略していきましょう。

このA、Bが漢文の攻略法です。漢文だけは本当に誰でも満点が取れる科目です。理系だからこそ集中して極めておきましょう。

ここまでで国語の対策について長々と説明してきました。国語は共通テストの中で最もハードな科目です。苦しむ受験生は文系を含めても多くいます。ですが、正しく地道に勉強すれば確実に点数は上がるので、めげずに頑張ってみましょう。

6:二次国語の対策

以下は二次試験でも国語を使う理系受験生に向けての内容になります。

結論から言うと、国語はコスパ重視でいくのが正解です。

また、「抜き出し」を意識して回答を作ります。

理系の学部を受けるなら分かると思いますが、数学理科の配点が圧倒的に大きいです。なので、国語をやることによる費用対効果が悪いんですよね。国語で8割とか狙ってゴリゴリに勉強しても時間が無駄になりがちです。そんなことやるなら数学やりましょう。

ですが、国語を全くやらないのは勿体ない。

二次の国語って記述式とかもありますが、あれって正直マーク式よりも気合でどうにかなるんですよ。ちなみに僕は記述問題の方が好きでした。

問題によって対策が変わってくるのですが、基本は「本文の抜き出し」を”組み合わせる”だけでほとんどの回答が完成します。そして、回答の正しさは「抜き出す場所を選ぶ力」で変わってきます。

どういうことかと言うと、「自分の言葉で回答を書く必要はほぼない」ということです。記述問題は難しそうに見えますが、本文に書いていることを抜き出して回答を作ればいいので、実は非常に簡単です。

それで全ての記述問題で6割ほどの部分点をもぎ取ってくれば勝ちです。これだけで許容点は確実に超えてます。

大学ごとに問題のタイプが違うので、詳しくは添削等を受けつつ先生に聞くのがベストです。しかし、大まかな部分は共通しているので、「抜き出し」を練習して慣れていきましょう。

そして最後にもう一つですが、模試の採点基準は隅々まで読み尽くしましょう。

ここにきて特大情報を出してしまいました。。

模試を受けると採点基準が渡されたりしますが、あれって読んでますか?

あれを読まないなんて模試を受けた時間無駄にしてますよ。

採点基準は自分の点数に直結するないようになっています。これを読むだけで「自分がどんな回答を作れば点数が上がったのか」「どういう言い回しをすれば得できたのか」「どのポイントを盛り込むのが重要だったのか」など、試験を受けるときに気になるであろう内容がすべて網羅的に記されているのです。これは英語の記述を受けたときでも同じです。

なんとなく何点だったかを確認するのではなく、”なぜこの点数で””どこで減点されていたのか”を知るべきです。これだけで次回の模試の点数がぐんと上がりますよ(有益)。

まとめ:理系のための国語勉強法

1:国語は勉強しよう

2:評論はテクニックを学ぼう

3:小説は期待しすぎない

4:古文は丁寧に読むこと

5:漢文は満点を狙える

6:二次国語は「抜き出し」が命

ここまで長々と国語の勉強法を書いていますが、僕は国語の才能なんて0に等しかったです。おそらく普通の人よりも国語の力はなかったと思います。ですが、「正しい勉強法」を「早い段階から」取り組んだ結果、理系の中では上位レベルの力を身につけることができました。国語は才能が絡む科目ですが、しっかり勉強すればある程度伸ばすことができます。自分が持つ才能から引き出せる最大の点数を、入試で叩き出しましょう。

国語は勉強法が分かりにくい科目です。独学で取り組むと普通に挫折します。もし「国語がどうしても伸びない」「二次でも国語を使う」「分かる人からの視点がほしい」などと悩んでいる方は、一度シノハラさんの無料電話相談を頼ってみてはいかがでしょうか。LINE電話で無料電話相談ができます。

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