理系の地理勉強法

こんにちは、篠原塾でライターをしている加藤です。

今回は

「地理の成績が全然上がらない」

「地理にあまり時間を割けない」

「いつも8割前後で止まってしまう」

と悩んでいる方に向けて記事を書いていきます。

以下では、共通テスト地理に絞って、

理系が地理を勉強するときのマインド

実際の学習法

地理という科目の面白さ

の3点についてお話しします。

この記事を書いている僕は、

現役北大生で、浪人して京大A判定を10回とった経験があります。

また、地理は苦手科目だったのですが、本番では86点をとっています。模試を受けた中での最高偏差値は、河合全統マークで75.9です。

浪人を経て地理で85点を切ることがなくなった僕でも、現役のときは50点くらいしかとれなかったときもあります。

僕がどのようにして地理の成績を上げたのかを解説していきます。

では見ていきましょう!

1:理系が地理を勉強する意味とその注意点

A:地理という科目は面白い

結論から言うと、地理は面白いのでやるべきです。

「ん?そういうの求めてない」と思った人もブラウザバックは待ってください(笑)。ここから数百文字で、画面の前のあなたのモチベーションを上げてみせるので。

地理は最も世界が広がる科目です。

言い換えれば、見える世界が変わる科目とも言えます。

例えば、地理では気候区分について勉強しますよね。日本は大部分が温暖湿潤気候(Cfa)で、北海道などの一部のみが冷帯湿潤機構(Df)になっています。で、少し地理を勉強していれば気候ごとに特徴があることくらいは分かるはずです。そうすると、例えば僕が住んでいる北海道だと、「確かに最寒月平均気温が-3℃よりも下だな」とか「確かに本州よりも針葉樹林が多いな」などの気づきが生まれるわけです。

また、例えば「インドの綿花生産の話」のニュースを見たときに、「これは地理でやった通りだ!ほんとに綿花作ってるんだ!」と感じられたりします。そこから発展して、「インドに行ってみたいな。インドには何があるんだろう。インドってどういう文化だったっけ」などとワクワクが大きくなっていったりもします。大学生になったら、実際に地理で勉強した場所を巡ってみても楽しいかもしれないですね!

このように、地理を真面目に勉強すると、実際に勉強したことをリアルの世界と結びつけて考えることができるようになり、「日常的に些細なことにも面白さを見つけることができるようになる」のです。

僕も浪人して地理をとことん極めた結果、元々インドア派だったのにアウトドアになったり、旅行するのがとても好きになりました。正直、最もワクワクできる科目でした。

ここまでで少しでもモチベーションが上がったでしょうか。上がってくれた人はそのままの勢いで勉強しましょう。そうでもない人は、他の科目と同じように「点数を取る」ために淡々と勉強してください(笑)。

B:地理は85点満点である

地理で100点を狙うのはナンセンスです。

運が絡む問題が必ず出題されるからです。

この記事を読んでいる意識の高いあなたは、「地理は暗記科目だから100点とらないとダメだ」と考えているかもしれません。しかし、その考え方はやめた方がいいと思います。

地理は確かに暗記科目で、知識を身につければ100点に近づきます。もちろん地理の先生やその道の専門家なら100点はとれると思います。

ですが、地理は80点に到達するのは容易なものの、100点満点をとるのは圧倒的に難しいのです。とんでもなく多くの知識と経験を積まねばなりません。地理的な勘なども必要になってしまいます。

つまり、コスパが悪いですね。

なので、地理は85点満点だと割り切って、85点を超えるくらいの勉強をしていくのが最も賢いと言えるでしょう。得意な人、余裕のある人なら90点狙いでもいいですが、100点はやめましょうね。僕は2年間浪人して過去問25年分を3周しても本番では90点とれませんでした(泣)。

地理で満点とる暇があるなら他の科目をやりましょう!

C:知識を集約させるというやり方

地理を勉強するなら、参考書1冊と地図帳1冊を絞りましょう。

復習が鬼のように速くなるからです。

よくいる意識高い系受験生の例として、色んな参考書を買って並行して学習を進めるという人がいます。

これは地理の勉強においては特に失敗します。復習に恐ろしいほどの時間がかかってしまうからです。

いざ復習しようとしたときに、復習せねばならない教材がたくさんあったら面倒ですよね。それでモチベーションが下がって復習をやめてしまったら本末転倒です。

なので僕は、このリスクを回避するために「情報を1冊に集約する」というやり方で勉強しました。自分のバイブルとなる参考書と地図帳を1冊ずつ決めて、そこに全ての学習内容を書き込んでいくのです。

これによって、復習の効率が鬼のように上がり、地理で高得点が安定して出せるようになりました。

ぜひ試してみてください。

2:学習の進め方

地理には実力別の勉強法とかはありません。基本的にどの段階であっても正しく勉強すれば自ずと成績は伸びていきます。

A:系統地理→地誌の順番でやる

基本は「系統地理→地誌」の流れで学習すると効率がよいです。

系統地理は地形、気候区分、産業など特定の場所に関係のない知識を学習する分野です。例えば、「最寒月平均気温が18℃以上だと熱帯気候(A気候)になる」という知識です。

このような知識は地理を勉強していく上で必要不可欠なものになっていくので、系統地理はある程度身に付くまで勉強しましょう。

その次は地誌分野です。こちらは地域ごとにその気候、産業についてを深く学習していく分野です。例えば、「シンガポールは熱帯雨林気候(Af気候)である」といった知識です。特定の場所に絞って1つずつ理解を深めていくことになります。

地誌を勉強するときは、系統地理で身につけた知識との関連づけを行っていくようにします。

例えば、

系統地理:例外的なCs気候はケープタウン、パース、カリフォルニア中部、チリ中部だ

地誌:ケープタウンは(地中海ではないけど)Cs気候だ

といった具合になるので、地誌を勉強しているときには「ケープタウンは系統地理でやったようにCs気候だったよな」と知識の確認をしていくという感覚でいきましょう。

系統地理の内容を頭に入れて地誌を勉強して、知識が不安になったら系統地理に戻るという勉強法が効果的です。

B:日本地理の重要性

日本地理は舐めないようにしておきましょう。

ノー勉で挑むと痛い目に遭います。

共通テスト・センター試験では、日本地理の問題がラストに出題されることが多いです。この大問を感覚で解いていたりしていませんか?

日本地理の問題はちょっとした常識とか勘で解けてしまうことがあるので、対策してない人が多いです。ノー勉で満点がとれてしまうこともたまにあります。

ですが、自分と合わない問題が出題されたときは大事故を起こすこともあり得ます。1、2問しか正解しなかった、ということなどもザラにあります。ものすごい痛手になりますよね。

逆に、この日本地理に真面目に取り組んできた受験生は得します。少し勉強するだけで点数がある程度安定するからです。

ここの分野をいかに得意にするかで模試や入試本番のテンションが変わってくるので、ぜひしっかり勉強して得意にしておきましょう。

C:地図記号はまとめて覚えよう

地図記号もしっかり覚えておくといいです。

地理では必ず地形図の問題が出題されています。これも正直勘に頼って回答することができます。

ですが、しっかりと勉強することができれば、「スムーズに」「確実に」正解を導き出すことができます。

そのための最も基本かつ重要になるものが、地図記号の暗記です。

地形図を解くときに地図記号がわからないと、勘に頼るしかなくなるので、点数が安定しなくなります。一方で、基本的な地図記号が頭に入っていれば、確信を持って選択肢を選ぶことができます。

他の受験生とかなり差をつけられるので、地図記号は事前にまとめて覚えておくことをオススメします。

3:参考書の使い方

地理の参考書は1冊に絞りましょう。学校や塾に通っている人は、渡された教材で十分です。新しく参考書が欲しい人は「地理Bの点数が面白いほどとれる本」という本をオススメします。網羅生が高くイラスト付きなので、高得点とるには十分な内容となっています。以下では実際に参考書を使っていく中で意識するべきことを確認していきます。

A:知識を集約せよ

これは序盤でも書いた通り、地理を勉強していく上で最も重要な考え方になります。逆を言えば、情報を分散させないということです。

具体的には、問題演習などをしたときに知らない知識と出会ったらすべて1冊の参考書に書き込んでいきます。

これをすることで、「自分だけの参考書」が出来上がって、復習が尋常じゃなく速くなります。地理は効率重視なので、ぜひ実践してみてください。

B:グラフと数字に注目せよ

統計が出てきたら、グラフと数字に注目するようにしましょう。

問題を感覚ではなく確信を持って解けるようにするためです。

地理には様々な統計が登場します。覚える量が多すぎてうんざりするかもしれません。

ですが、なんとなく統計を見るのはいけませんよ。統計に出会ったら、

・グラフの形

・代表的な数字の大体の大きさ

・”ベスト3の項目”に目を通す

を確認しておくようにしましょう。参考書に直接書き込んでしまってもよいです。

“ベスト3の項目”とは、例えば自動車の生産量が

1位:中国

2位:アメリカ

3位:日本

である、といった情報のことです。

地理の問題を解くときには、出現した統計のすべての情報が必要なのではありません。そのデータの特徴が掴めさえすれば解けてしまうのです。

なので、地理の勉強をしていて統計が登場したら、その特徴を自分で把握してすぐにでも書き込んでしまう癖をつけましょう。正答率がかなり上がります。

4:地図帳の使い方

地理で高得点をとる上で地図帳の使い方はこだわる必要があります。僕はそこにこだわりまくった結果安定した高得点を手にすることができました。以下で紹介します。

A:視覚情報に訴えかける

地理においては知識だけではなく、地図上の場所を把握する力も磨かなければなりません。

名称だけ覚えて解ける問題が極端に少ないからです。

地理が日本史や世界史と大きく違うところは、文字として覚えた知識だけでは問題が解けるようにならないという点です。例えば、国の名前を全て覚えていたとしても、国の名前と場所が一致していないと意味ないということです。

そこで登場するのが地図帳です。地図帳に知識をたくさん書き込むことで、場所との関連性が頭に入ってきやすくなります。「ブラジルではサトウキビがたくさん取れる」という情報を頭に入れるよりも、「ブラジルの地図にはサトウキビマークがたくさんある」という視覚情報の方が覚えやすくなります。

地理を勉強する上で厄介な「場所」については、地図帳を活用して視覚的に覚えていきましょう。

B:分かりやすさを追求する

地図帳に情報を書き込むといっても、適当に書き込んでいくと逆に見にくくなってしまいます。

なので、地図帳に書き込むときは、「色分けをする」「見えやすい色を使う」「文字は大きく」の3点を意識して分かりやすく書き込んでいくとよいです。

僕がやった工夫をいくつか書き出します。

新規造山帯は赤、古期造山帯は青の蛍光ペンで塗る

代表的な河川は青のボールペンで塗る

細かい情報は紫のボールペンで書き込む

などです。

具体的なやり方は人それぞれなので、自分が分かりやすいなと思うようなまとめ方をしてください。参考までに僕の地図帳の一部を載せておきます。

(オーストラリアへの書き込み:文字は大きめで、産業についてもすべて書き込みました。古期造山帯のグレートディヴァイディング山脈は青く塗っています。)

(南米への書き込み:代表的な河川は青く塗って一目でわかるようにしています。新期造山帯のアンデス山脈は赤く塗っています。こちらは人種について大きく書き込んだのが分かりやすかったような気がします。)

C:白地図を活用せよ

白地図があるなら思いっきり使い倒してみましょう。

国の場所を覚えるのに便利です。

地図帳だけだと国の名前が分かってしまうので、しっかりとした暗記には不向きです。ですが、実際の入試では国名が明かされないままの問題が出ることが多いです。そんなときに助けてくれるのが白地図です。

白地図は何も書き込まれていないので、国名とその場所を当てるクイズに利用できます。

僕はこれを使って、複雑だと有名なヨーロッパ、東南アジア、南米の国名と場所をすべて覚えていました(これはやりすぎな感じもしますが笑)。東南アジアと南米くらいは全部覚える価値あります。

こういう些細なところでも他の受験生よりもかなり有利になるので、時間がある人はやってみてください!

5:過去問の使い方

系統地理と地誌を人と通り身につけたと感じたら、すぐに過去問に着手してもらってokです。地理は演習量が鍵となるので、早いうちから過去問に手をつけておくと直前期に焦る必要がなくなります。以下でそのときに覚えておいて欲しいポイントを提示します。

A:知らなかった知識はすべて書き込む

過去問をやって知らなかった知識は、全て参考書や地図帳に書き込んでください。

復習のしやすさが上がるからです。

問題演習をして知らない知識に出会ったときに、「答えのページにマーカーで線を引いておくだけ」とか「答えをよく読んでおくだけ」などの勉強法をしていませんか。これでは時間の無駄です。

僕らは何度か触れたことのある情報しかインプットできません。一度読んでおく程度では実践で役立つ知識にはならないのです。

なので、新しく登場した知識は必ず参考書か地図帳に書き込んで、隙間時間に何回かチェックするようにしましょう。

B:地理の解き方を覚える

ここはかなり重要です。

地理の演習をして「知識があったのに間違えた問題」は徹底的に復習する必要があります。

理由は、解き方が間違っている可能性がある上、勿体ないからです。

演習をしていると、知識があるからといって問題が解けるとは限らないということが分かります。そこで、「たまたま間違えただけ」とか考えていたらアマチュアですよ(笑)。

「必要な知識は全て備わっていたのに間違えた。なぜだ。どう解けばよかったんだろう」と考えられるようになるとプロです。

地理で一番勿体無いのが、分かっていたのに間違えるという間違え方です。このケースは日本史や世界史に比べると極端に多く、僕も何度も涙を飲んできました。

こういったケースを回避するために、しっかりと対策を取っておくべきです。

具体的には、ミスまとめノートを作って3回以上復習するというものです。間違えた問題は「どういう手順で考えたら正解したのだろう」と考えを深めていくことが大事です。こうすることで、自分の悪い癖なども見えてきたりするのでオススメです。

地理の解き方を鋭くしていくために、偶然ミスった問題ほど真剣に向き合ってみましょう!

まとめ:理系のための地理勉強法

1:地理は実質85点満点

2:情報を分散させない

3:系統地理→地誌で勉強する

4:地図帳に分かりやすく書き込む

5:偶然間違えた問題ほど丁寧に復習

僕は今でこそ地理が大好きになっていますが、元々は社会で地理を選択したことを後悔していた人間でした。日本史や世界史と違って高得点が取りにくい地理は、僕の志望する学部の配点的には非常に厄介な科目でした。ですが、浪人して地理を本気で勉強した結果、最高偏差値は75.9を記録し、本番でも86点というまずまずの結果を残すことができました。もちろんその過程には様々な工夫があったので、それについてはこの記事で僕が書いた記事を参考にしてくれるといいのかなと思います。満点とはいかなくても、高得点なら確実に出せる科目なので、ぜひ地図帳を使い倒して入試で暴れてきてください(笑)。

地理は勉強法が明確になりにくい科目です。特に独学で取り組むと中々成績が伸びなくて挫折しがちです。もし「地理がどうしても伸びない」「常に地理が不安だ」などと悩んでいる人は、一度シノハラさんの無料電話相談を頼ってみてはいかがでしょうか。LINE電話で無料電話相談ができます。申し込みはコチラから↓

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